书城文学《万叶集》的世界
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第35章 附录(4)

三年春正月一日於因幡國廳賜饗國郡司等之宴歌一首

20/4516 新しき年の初めの初春の今日降る雪のいやしけ吉事

3.東歌

14/3363 我が背子を大和へ遣りて待つしだす足柄山の杉の木の間か

14/3373 多摩川にさらす手作りさらさらになにぞこの子のここだ愛しき

14/3384 葛飾の真間の手児名をまことかも我れに寄すとふ真間の手児名を

14/3399 信濃道は今の墾り道刈りばねに足踏ましなむ沓はけ我が背

14/3400 信濃なる千曲の川のさざれ石も君し踏みてば玉と拾はむ

14/3401 なかまなに浮き居る船の漕ぎ出なば逢ふことかたし今日にしあらずは

14/3426 会津嶺の国をさ遠み逢はなはば偲ひにせもと紐結ばさね

14/3427 筑紫なるにほふ子ゆゑに陸奥の可刀利娘子の結ひし紐解く

14/3428 安達太良の嶺に伏す鹿猪のありつつも我れは至らむ寝処な去りそね

14/3429 遠江引佐細江のみをつくし我れを頼めてあさましものを

14/3430 志太の浦を朝漕ぐ船はよしなしに漕ぐらめかもよよしこさるらめ

14/3431 足柄の安伎奈の山に引こ船の後引かしもよここばこがたに

14/3432 足柄のわを可鶏山のかづの木の我をかづさねも門さかずとも

14/3433 薪伐る鎌倉山の木垂る木を松と汝が言はば恋ひつつやあらむ

14/3434 上つ毛野阿蘇山つづら野を広み延ひにしものをあぜか絶えせむ

14/3435 伊香保ろの沿ひの榛原我が衣に着きよらしもよひたへと思へば

14/3436 しらとほふ小新田山の守る山のうら枯れせなな常葉にもがも

14/3437 陸奥の安達太良真弓はじき置きて反らしめきなば弦はかめかも

4.防人歌

14/3569 防人に立ちし朝開の金戸出にたばなれ惜しみ泣きし子らはも

14/3570 葦の葉に夕霧立ちて鴨が音の寒き夕し汝をば偲はむ

14/3571 己妻を人の里に置きおほほしく見つつぞ来ぬるこの道の間

天平勝寳七歳乙未二月相替遣筑紫諸國防人等歌

20/4322 我が妻はいたく恋ひらし飲む水に影さへ見えてよに忘られず

右一首主帳丁麁玉郡若倭部身麻呂

20/4323 時々の花は咲けども何すれぞ母とふ花の咲き出来ずけむ

右一首防人山名郡丈部真麻呂

二月六日防人部領使遠江國史生坂本朝臣人上進歌數十八首但有拙劣歌十一首不取載之

20/4328 大君の命畏み磯に触り海原渡る父母を置きて

右一首助丁丈部造人麻呂

20/4329 八十国は難波に集ひ船かざり我がせむ日ろを見も人もがも

右一首足下郡上丁丹比部國足

20/4330 難波津に装ひ装ひて今日の日や出でて罷らむ見る母なしに

右一首鎌倉郡上丁丸子連多麻呂

二月七日相模國防人部領使守従五位下藤原朝臣宿奈麻呂進歌數八首但拙劣歌五首者不取載之

20/4334 海原を遠く渡りて年経とも子らが結べる紐解くなゆめ

20/4335 今替る新防人が船出する海原の上に波なさきそね

20/4336 防人の堀江漕ぎ出る伊豆手船楫取る間なく恋は繁けむ

20/4337 水鳥の立ちの急ぎに父母に物言はず来にて今ぞ悔しき

右一首上丁有度部牛麻呂

20/4340 父母え斎ひて待たね筑紫なる水漬く白玉取りて来までに

右一首川原虫麻呂

20/4341 橘の美袁利の里に父を置きて道の長道は行きかてのかも

右一首丈部足麻呂

20/4343 我ろ旅は旅と思ほど家にして子持ち痩すらむ我が妻愛しも

右一首玉作部廣目

20/4344 忘らむて野行き山行き我れ来れど我が父母は忘れせのかも

右一首商長首麻呂

20/4345 我妹子と二人我が見しうち寄する駿河の嶺らは恋しくめあるか

右一首春日部麻呂

20/4346 父母が頭掻き撫で幸くあれて言ひし言葉ぜ忘れかねつる

右一首丈部稲麻呂

二月十四日常陸國部領防人使大目正七位上息長真人國嶋進歌數十七首但拙劣歌者不取載之

20/4373 今日よりは返り見なくて大君の醜の御楯と出で立つ我れは

右一首火長今奉部与曽布

20/4381 国々の防人集ひ船乗りて別るを見ればいともすべなし

右一首河内郡上丁神麻續部嶋麻呂

主要参考文献

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高木市之助·五味智英·大野晋校注:日本古典文学大系『萬葉集』1-4、岩波書店、昭和32、34、35、37年初版

佐竹昭広·木下正俊·小島憲之共著:『萬葉集 訳文篇』、塙書房、昭和47年3月初版

小島憲之·木下正俊·佐竹昭広校注、訳:日本古典文学全集『萬葉集』1-4、小学館、昭和46、47、48、50年初版

小島憲之·木下正俊·東野治之校注、訳:新編日本古典文学全集『萬葉集』1-4、小学館、1994、1995、1995、1996年初版

中西進:『万葉集 全訳注原文付』1-4、講談社文庫、昭和53,55,56,1983年初版

中西進編:『万葉集 全訳注原文付』別巻『万葉集事典』、講談社文庫、1985年12月

中西進:『校訂 萬葉集』、角川書店、平成7年1月初版

澤潟久孝:『萬葉集注釈』1-20、

伊藤博·稲岡耕二他:『萬葉集全注』(欠12、13、16)、有斐閣、昭和58年―

神野志隆光·坂本信幸企画編集:『セミナー 万葉の歌人と作品』1-9、和泉書院、1999年5月―2003年7月

小島憲之:『上代日本文学と中国文学』上中下、塙書房、昭和37、39、40年初版

中西進:『中西進 万葉論集』1-8、講談社、1995-1996年

古沢未知男:『漢詩文引用より見た万葉集の研究』、桜楓社、昭和41年7月

辰巳正明:『万葉集と中国文学』、笠間書院、昭和62年2月

辰巳正明:『万葉集と中国文学 第二』、笠間書院、1993年5月

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辰巳正明:『万葉集と比較詩学』、おうふう、平成9年4月

孫久富:『萬葉集と中国古典の比較研究』、新典社、1991年7月

孫久富:『日本上代の恋愛と中国古典』、新典社、平成8年7月

胡志昂:『奈良万葉と中国文学』、笠間書院、1998年12月

谷口茂:『外来思想と日本人――大伴旅人と山上憶良』、玉川大学出版部、1995年5月

増尾伸一郎:『万葉歌人と中国思想』、吉川弘文館、平成9年4月

佐藤美知子:『萬葉集と中国文学受容の世界』、塙書房、2002年3月