书城文学《万叶集》的世界
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第33章 附录(2)

反歌一首

06/1006 神代より吉野の宮にあり通ひ高知らせるは山川をよみ

山部宿禰赤人歌四首

08/1424 春の野にすみれ摘みにと来し我れぞ野をなつかしみ一夜寝にける

08/1425 あしひきの山桜花日並べてかく咲きたらばいたく恋ひめやも

08/1426 我が背子に見せむと思ひし梅の花それとも見えず雪の降れれば

08/1427 明日よりは春菜摘まむと標めし野に昨日も今日も雪は降りつつ

2.大伴旅人

大宰帥大伴卿讃酒歌十三首

03/0338 験なきものを思はずは一杯の濁れる酒を飲むべくあるらし

03/0339 酒の名を聖と負ほせしいにしへの大き聖の言の宣しさ

03/0340 いにしへの七の賢しき人たちも欲りせしものは酒にしあるらし

03/0341 賢しみと物言ふよりは酒飲みて酔ひ泣きするしまさりたるらし

03/0342 言はむすべ為むすべ知らず極まりて貴きものは酒にしあるらし

03/0343 なかなかに人とあらずは酒壷になりにてしかも酒に染みなむ

03/0344 あな醜賢しらをすと酒飲まぬ人をよく見ば猿にかも似む

03/0345 価なき宝といふとも一杯の濁れる酒にあにまさめやも

03/0346 夜光る玉といふとも酒飲みて心を遣るにあにしかめやも

03/0347 世間の遊びの道に楽しきは酔ひ泣きするにあるべくあるらし

03/0348 この世にし楽しくあらば来む世には虫に鳥にも我れはなりなむ

03/0349 生ける者遂にも死ぬるものにあればこの世なる間は楽しくをあらな

03/0350 黙居りて賢しらするは酒飲みて酔ひ泣きするになほしかずけり

大宰帥大伴卿報凶問歌一首

05/0793 禍故重疊、凶問累集。永懐崩心之悲、獨流斷腸之泣。但依兩君大助、傾命纔継耳。[筆不盡言、古今所歎。]

05/0793 世間は空しきものと知る時しいよよますます悲しかりけり

大伴淡等謹狀

梧桐日本琴一面[對馬結石山孫枝]

此琴、夢化娘子曰、余託根遙嶋之崇巒、晞幹九陽之休光。長帶煙霞、逍遙山川之阿、遠望風波、出入鴈木之間。唯恐百年之後、空朽溝壑。偶遭良匠、散為小琴。不顧質麁音少、恒希君子左琴。即歌曰

05/0810 いかにあらむ日の時にかも声知らむ人の膝の上我が枕かむ

僕報詩詠曰

05/0811 言とはぬ木にはありともうるはしき君が手馴れの琴にしあるべし

琴娘子答曰

05/0811 敬奉徳音、幸甚々々。片時覺、即感於夢言、慨然不得止黙。故附公使、聊以進禦耳。[謹狀。不具。]

天平元年十月七日、附使進上。

謹通中衛高明閤下謹空

05/081 跪承芳音、嘉懽交深。乃知龍門之恩、復厚蓬身之上。戀望殊念、常心百倍。謹和白雲之什、以奏野鄙之歌。房前謹狀。

05/0812 言とはぬ木にもありとも我が背子が手馴れの御琴地に置かめやも

十一月八日、附還使大監。

謹通尊門記室

梅花歌卅二首並序

05/0815 天平二年正月十三日、萃於帥老之宅、申宴會也。於時、初春令月、気淑風和。 梅披鏡前之粉、蘭薫珮後之香。加以、曙嶺移雲、松掛羅而傾蓋、夕岫結霧、鳥封穀而迷林。庭舞新蝶、空歸故鴈。於是、蓋天坐地、促膝飛觴。忘言一室之裏、開衿煙霞之外。淡然自放、快然自足、若非翰苑、何以攄情。請紀落梅之篇、古今夫何異矣。宜賦園梅、聊成短詠。

05/0815 正月立ち春の来らばかくしこそ梅を招きつつ楽しき終へめ[大貳紀卿]

05/0816 梅の花今咲けるごと散り過ぎず我が家の園にありこせぬかも[少貳小野大夫]

05/0817 梅の花咲きたる園の青柳はかづらにすべくなりにけらずや[少貳粟田大夫]

05/0818 春さればまづ咲くやどの梅の花独り見つつや春日暮らさむ[筑前守山上大夫]

05/0819 世の中は恋繁しゑやかくしあらば梅の花にもならましものを[豊後守大伴大夫]

05/0820 梅の花今盛りなり思ふどちかざしにしてな今盛りなり[筑後守葛井大夫]

05/0821 青柳梅との花を折りかざし飲みての後は散りぬともよし[笠沙弥]

05/0822 我が園に梅の花散るひさかたの天より雪の流れ来るかも[主人]

05/0823 梅の花散らくはいづくしかすがにこの城の山に雪は降りつつ[大監伴氏百代]

05/0824 梅の花散らまく惜しみ我が園の竹の林に鴬鳴くも[小監阿氏奥嶋]

05/0825 梅の花咲きたる園の青柳をかづらにしつつ遊び暮らさな[小監土氏百村]

05/0826 うち靡く春の柳と我がやどの梅の花とをいかにか分かむ大典史氏大原]

05/0827 春されば木末隠りて鴬ぞ鳴きて去ぬなる梅が下枝に小典山氏若麻呂]

05/0828 人ごとに折りかざしつつ遊べどもいやめづらしき梅の花かも[大判事丹氏麻呂]

05/0829 梅の花咲きて散りなば桜花継ぎて咲くべくなりにてあらずや[藥師張氏福子]

05/0830 万代に年は来経とも梅の花絶ゆることなく咲きわたるべし[筑前介佐氏子首]

05/0831 春なればうべも咲きたる梅の花君を思ふと夜寐も寝なくに[壹岐守板氏安麻呂]

05/0832 梅の花折りてかざせる諸人は今日の間は楽しくあるべし[神司荒氏稲布]

05/0833 年のはに春の来らばかくしこそ梅をかざして楽しく飲まめ[大令史野氏宿奈麻呂]

05/0834 梅の花今盛りなり百鳥の声の恋しき春来るらし[小令史田氏肥人]

05/0835 春さらば逢はむと思ひし梅の花今日の遊びに相見つるかも[藥師高氏義通]

05/0836 梅の花手折りかざして遊べども飽き足らぬ日は今日にしありけり[陰陽師礒氏法麻呂]

05/0837 春の野に鳴くや鴬なつけむと我が家の園に梅が花咲く[師志氏大道]

05/0838 梅の花散り乱ひたる岡びには鴬鳴くも春かたまけて[大隅目榎氏鉢麻呂]

05/0839 春の野に霧立ちわたり降る雪と人の見るまで梅の花散る[筑前目田氏真上]

05/0840 春柳かづらに折りし梅の花誰れか浮かべし酒坏の上に[壹岐目村氏彼方]

05/0841 鴬の音聞くなへに梅の花我家の園に咲きて散る見ゆ[對馬目高氏老]

05/0842 我がやどの梅の下枝に遊びつつ鴬鳴くも散らまく惜しみ[薩摩目高氏海人]

05/0843 梅の花折りかざしつつ諸人の遊ぶを見れば都しぞ思ふ[土師氏御道]

05/0844 妹が家に雪かも降ると見るまでにここだもまがふ梅の花かも[小野氏國堅]

05/0845 鴬の待ちかてにせし梅が花散らずありこそ思ふ子がため[筑前拯門氏石足]

05/0846 霞立つ長き春日をかざせれどいやなつかしき梅の花かも[小野氏淡理]

員外思故郷歌兩首

05/0847 我が盛りいたくくたちぬ雲に飛ぶ薬食むともまた変若めやも

05/0848 雲に飛ぶ薬食むよは都見ばいやしき我が身また変若ぬべし

後追和梅歌四首

05/0849 残りたる雪に交れる梅の花早くな散りそ雪は消ぬとも

05/0850 雪の色を奪ひて咲ける梅の花今盛りなり見む人もがも

05/0851 我がやどに盛りに咲ける梅の花散るべくなりぬ見む人もがも

05/0852 梅の花夢に語らくみやびたる花と我れ思ふ酒に浮かべこそ

[一云、いたづらに我れを散らすな酒に浮べこそ]

遊於松浦河序

05/0853 余以暫往松浦之縣逍遙、聊臨玉嶋之潭遊覧、忽値釣魚女子等也。花容無雙、光儀無匹。開柳葉於眉中、發桃花於頬上。意氣凌雲、風流絶世。僕問曰、誰郷誰家兒等、若疑神仙者乎。娘等皆咲答曰兒等者漁夫之舎兒、草菴之微者。無郷無家、何足稱云。唯性便水、復心樂山。或臨洛浦而徒羨玉魚、乍臥巫峽以空望煙霞。今以邂逅相遇貴客。不勝感應、輙陳欸曲。而今而後、豈可非偕老哉。下官對曰、唯々、敬奉芳命。於時日落山西、驪馬將去、遂申懐抱、因贈詠歌曰、

05/0853 あさりする海人の子どもと人は言へど見るに知らえぬ貴人の子と

答詩曰

05/0854 玉島のこの川上に家はあれど君をやさしみあらはさずありき

蓬客等更贈歌三首

05/0855 松浦川川の瀬光り鮎釣ると立たせる妹が裳の裾濡れぬ

05/0856 松浦なる玉島川に鮎釣ると立たせる子らが家道知らずも

05/0857 遠つ人松浦の川に若鮎釣る妹が手本を我れこそ卷かめ

娘等更報歌三首

05/0858 若鮎釣る松浦の川の川なみの並にし思はば我れ恋ひめやも

05/0859 春されば我家の里の川門には鮎子さ走る君待ちがてに

05/0860 松浦川七瀬の淀は淀むとも我れは淀まず君をし待たむ

後人追和之詩三首[帥老]

05/0861 松浦川川の瀬早み紅の裳の裾濡れて鮎か釣るらむ

05/0862 人皆の見らむ松浦の玉島を見ずてや我れは恋ひつつ居らむ

05/0863 松浦川玉島の浦に若鮎釣る妹らを見らむ人の羨しさ

帥大伴卿和歌一首

06/0956 やすみしし我が大君の食す国は大和もここも同じとぞ思ふ

帥大伴卿遙思芳野離宮作歌一首

06/0960 隼人の瀬戸の巌も鮎走る吉野の瀧になほしかずけり

大宰帥大伴卿冬日見雪憶京歌一首

08/1639 沫雪のほどろほどろに降りしけば奈良の都し思ほゆるかも

大宰帥大伴卿梅歌一首

08/1640 我が岡に盛りに咲ける梅の花残れる雪をまがへつるかも

3.小野老

大宰少貳小野老朝臣歌一首

03/0328 あをによし奈良の都は咲く花のにほふがごとく今盛りなり

4.山上臣憶良

山上臣憶良在大唐時憶本郷作歌

01/0063 いざ子ども早く日本へ大伴の御津の浜松待ち恋ひぬらむ

山上憶良臣罷宴歌一首

03/0337 憶良らは今は罷らむ子泣くらむそれその母も我を待つらむぞ

思子等歌一首并序

釋迦如來、金口正説、等思衆生、如羅喉羅。又説、愛無過子。至極大聖、尚有愛子之心。況乎世間蒼生、誰不愛子乎。

05/0802 瓜食めば子ども思ほゆ栗食めばまして偲はゆ いづくより来りしものぞまなかひにもとなかかりて 安寐し寝なさぬ

反歌

05/0803 銀も金も玉も何せむにまされる宝子にしかめやも

貧窮問答歌一首并短歌

05/0892 風交り雨降る夜の雨交り雪降る夜はすべもなく寒くしあれば 堅塩をとりつづしろひ糟湯酒うちすすろひてしはぶかひ鼻びしびしにしかとあらぬひげ掻き撫でて我れをおきて人はあらじと誇ろへど寒くしあれば麻衾引き被り布肩衣ありのことごと着襲へども寒き夜すらを我れよりも貧しき人の父母は飢ゑ凍ゆらむ妻子どもは乞ふ乞ふ泣くらむこの時はいかにしつつか汝が世は渡る天地は広しといへど我がためは狭くやなりぬる日月は明しといへど我がためは照りやたまはぬ人皆か我のみやしかるわくらばに人とはあるを人並に我れも作るを綿もなき布肩衣の海松のごとわわけさがれるかかふのみ肩にうち掛け伏廬の曲廬の内に直土に藁解き敷きて父母は枕の方に妻子どもは足の方に囲み居て憂へさまよひかまどには火気吹き立てず甑には蜘蛛の巣かきて飯炊くことも忘れてぬえ鳥ののどよひ居るにいとのきて短き物を端切るといへるがごとくしもと取る里長が声は寝屋処まで

05/0892 来立ち呼ばひぬかくばかりすべなきものか世間の道

05/0893 世間を憂しとやさしと思へども飛び立ちかねつ鳥にしあらねば

好去好來歌一首反歌二首

05/0894 神代より言ひ伝て来らくそらみつ大和の国は皇神の厳しき国 言霊の幸はふ国と語り継ぎ言ひ継がひけり今の世の人もことごと 目の前に見たり知りたり人さはに満ちてはあれども高照らす 日の朝廷神ながら愛での盛りに天の下奏したまひし家の子と 選ひたまひて大御言[反云大みこと]戴き持ちてもろこしの遠き境に遣はされ罷りいませ海原の辺にも沖にも神づまり領きいますもろもろの大御神たち船舳に[反云ふなのへに]導きまをし天地の大御神たち大和の大国御魂ひさかたの天のみ空ゆ天翔り見わたしたまひ事終り帰らむ日にはまたさらに大御神たち船舳に御手うち掛けて墨縄を延へたるごとくあぢかをし値嘉の崎より大伴の御津の浜びに直泊てに御船は泊てむ障みなく幸くいまして早帰りませ

反歌

05/0895 大伴の御津の松原かき掃きて我れ立ち待たむ早帰りませ

05/0896 難波津に御船泊てぬと聞こえ来ば紐解き放けて立ち走りせむ

天平五年三月一日良宅對面獻三日山上憶良

謹上大唐大使卿記室

山上臣憶良沈痾之時歌一首

06/0978 士やも空しくあるべき万代に語り継ぐべき名は立てずして

山上臣憶良詠秋野花歌二首

08/1537 秋の野に咲きたる花を指折りかき数ふれば七種の花[其一]

08/1538 萩の花尾花葛花なでしこの花をみなへしまた藤袴朝顔の花[其二]

5.高橋虫麻呂

詠不盡山歌一首并短歌

03/0319 なまよみの甲斐の国うち寄する駿河の国とこちごちの国のみ中ゆ